Doing(やり方)からBeing(あり方)へ ―AI時代のその先にある、人・仕事・組織のパラレルシフト
スキル(アップ)偏重がもたらした「終わりのない競争」の終焉
これまで私たちは、就職や転職などの場面において、「何ができるか」というわかりやすい職歴やスキル、スペックばかりが評価される、きわめて即物的な労働市場と資本主義の時代を生きてきました。
では、その結果として私たちの社会はどうなったでしょうか。本来であれば、労働を通じて人々が豊かで幸せになっているはずですが、統計は冷徹な事実を突きつけています。日本の労働生産性がOECD加盟38カ国中で30位と低迷し、G7のなかで長きにわたり最下位に甘んじていることはよく知られています。それに加えてさらに深刻なのが、ギャロップ社の調査が示す「精神の荒廃」です。日本の労働者の実に94%が、仕事に対して熱意を持てず、日々ネガティブな感情を抱えながら組織にしがみついているという現実があります。
あんなにも勤勉で、自己投資を惜しまない日本人が、なぜ世界的に見ても生産性を上げられず、働くことを少しも楽しめていないのでしょうか。これは単なる経済の不調ではなく、システムそのものが機能不全を起こしていると見るべきです。メンタルヘルスの不調者は増大の一途をたどり、企業組織においては、苦労して採用した人材が離職することによる経済的損失が年収の数倍にのぼるとも言われています。これらはすべて、人間を「ラベリングの塊」としてしか見ず、表面的な「ラベルマッチ」を偏重する社会システムがもたらした、必然的な弊害にほかならないと考えます。
AIが加速する「不幸の再生産」というディストピア
昨今、少子化対策や法制度の整備、AIの導入促進など、さまざまな対策が講じられています。ただ、その前提として「人の幸せ」と「生産性」が相反してしまっている社会構造を根本から解消しない限り、どれほど制度が整っても「社会が良くなった」という人々の実感は得られないのではないでしょうか。
現在、AI技術は指数関数的な進化を遂げており、私たちは仕事や出会いを探す際にも、スマートフォンを通じてサクサクと効率的に処理する時代を生きています。ここで立ち止まって考えてみたいのは、こうしたAIやテクノロジーを、単に「Doing(何をするか)」というスキルマッチングの道具としてのみ使い続けた先に、どのような未来があるのかということです。
もしこれまで通りの価値観でテクノロジーを駆動させれば、待っているのは既存の延長線上にある世界です。経済的な損失や、人々の精神的な疲弊といった不具合が、テクノロジーによってさらに高精度に「再生産」され、拡大していくというディストピアが予想されます。私たちがそのような未来を望まないのであれば、この不幸の連鎖をいかにして食い止め、人間が人間らしく生きられるオルタナティブな世界線へとシフトしていくか。まさに今、その分岐点に立たされていると言えます。
重要なのは、Doing(行動)ではなくBeing(存在)
これからのパラダイムシフトにおいて決定的に重要になるのは、「何ができるか(Doing)」ではなく、「自分がどうありたいか、何のために存在するのか」という「Being(あり方)」の領域です。私が考える「Being」とは、肩書きや職歴といった記号や偏見をすべて剥ぎ取った後に残る、その人自身の存在価値そのものです。あえて言葉にするなら、内側から湧き出る「固有の生命力の塊」であり、幸せや穏やかさを感じる「状態」とも言えるでしょう。
本来、社会とはそうした個人の固有の生命力が互いに響き合い、共鳴する場であるはずです。その共鳴があるからこそ共創が生まれ、人が集まってプロジェクトや会社が形作られていきます。ところが、近代の合理主義が作り上げた現在のシステムは、人間をスペックという記号で分断し、この最も本質的なつながりを切り捨ててしまいました。その結果が、採用のミスマッチであり、組織の停滞や人間関係の不和といった「未病」の蔓延です。
「Doing」ばかりを過剰に求める古いシステムの限界はすでに露呈しています。私たちが忘れてはならないのは、確固たる「Being(どうありたいか)」があって初めて、機能的な「Doing(行動)」が正しく駆動するということです。
AIによって職業が奪われるのではないかという不安の声もよく耳にします。ただ、見方を変えれば、AIが「Doing」の領域を代替してくれるからこそ、私たちは純粋な「Being」に立ち返ることができるとも言えます。自身の根源的なあり方さえ定まっていれば、職業やスキルというラベルは社会から与えられるのを待つものではなく、自分の「Being」を起点にして自由に創り出せばいい。これこそが、AI時代が私たちにもたらす本当の恩恵ではないでしょうか。
幸せと生産性の関係性を紡ぎ直す、3つのアプローチ
変化の激しい現代において、私たちは常に他者の価値観というノイズに晒され、自己を見失いがちになります。また企業組織においては、スペックのミスマッチが引き起こす「組織の未病」とも言える停滞や不和が蔓延しています。
お互いの魂が共鳴する結びつきをもう一度社会に取り戻し、「幸せと生産性の関係性」を美しく紡ぎ直すこと。そのために「ゆめかなうクラウド」の診断ポータルは、個人、組織、そして採用という3つの領域にアプローチする機能を備えています。
- ①「魂の羅針盤」 ── 人生のOS診断(個人向け) 長い間アップデートを忘れてしまっていた「人生のOS」を再起動し、一人ひとりの内省に寄り添うツールです。
- ②「組織の未病」を検知する ── 魂のチーム診断(組織向け) チームのあり方を根本から変えるためのシステムです。メンバー同士の「チーム共鳴度」を可視化することで、互いの「Being」を理解した上で最大のパフォーマンスを発揮する対話が可能になります。
- ③「魂の共鳴で結ばれる」 ── プロジェクト診断(採用・組織構築向け) プロジェクトや業務そのものが放つ固有の特性と、それに深く共鳴する最適な人材やチームをあぶり出す、まったく新しい採用・組織構築ツールです。
命を何に使うか ―― 魂の仕事をしよう
これからの時代、私たちが生きる世界において本当に価値を持つのは、スペックのような記号の羅列ではありません。「何に喜び、何に涙し、何に感動したか」という、代替不可能な生の実感だけです。
「魂の仕事をしよう。Move the World with your SOUL Work.」